後書


 蛇足ですが最後に補足。
 実際のエンディングで装備を売ったりはできないので、45章2の最後にある勇者データ「財産」は、エンディング時点でのデータに、その時持っていた換金可能な装備品の売値を足したものです(オルテガのかぶと除く)。冒険内で稼いだのは45章1の末尾にある方の金額です。せいぜい70万ゴールドの男でした。さらにゲーム内では例の3万5千ゴールドを下ろしてしまっているので、実際は70万ゴールド未満の男でした。
 あと都合により夢扱いになってしまった一度目のゾーマ討伐。42章の直後にできました。本文にもありますがこの勇者らしくもなく非常に運が良かったです。レベルは75だったと思います。

 というわけで終了です。ごらんの通り、冒険の中でいつの間にか全額返済、というグッドエンドにはなりませんでした。
 今思えばあれですが、このプレイ日記を始めた当初の返済予想は、最初のゾーマ討伐時にちょうど百万くらいかな? という甘いものでした。普通に買い物するプレイでも、ED時には相当の金が銀行にはあった覚えがあるためそう思っていたのですが、百万ゴールドは予想以上の大金でした。敵が強くなっても、戦闘後にもらえる金はあまり増えない。そのことも忘れていました。ネクロゴンドあたりでようやく「これ、全然足りないんじゃ?」と思い始めましたが、まだマイラのすごろく場とかに過大な期待をしていたのでした。
 どれくらい返済できるかによって結末は変わるので、頭の中で漠然と想定しているエンディングがプレイしているうちにどんどん変わっていくという脳内マルチエンドシステムでした。ゾーマを倒して終了にしたかったので最初は天界に行くつもりはなかったのですが、ゾーマ城に挑む段階で40万残っているという現実の前にはそんなことを言っていられません。1度目のゾーマ討伐は夢だったことにして天界に行き、「神竜倒してオルテガを生き返らせてもらい、残りの借金はオルテガが払うエンド」を目指すことにしたのです。

 …つまりその時はまだ、一人旅で願いを叶えるのは無理らしいということを知りませんでした。一人旅で神竜を倒したという話はネットで何度か見たような気がしたので、まあレベル上げれば何とかなるのだろう程度に思っていたのです。しかし、ゾーマに挑む頃になるとレベルが上がってもちっともHPが上がらなくなり、他のステータスの伸びも寂しくなりました。不安になって勇者一人でどうやって神竜を倒すのかを検索してみて、そこでようやくオルテガ復活が不可能っぽいことを知ったのです。1回目でもターン数に制限があることもその時初めて知りました。困りました。
 しかし神竜を倒さなくても天界に金目の物があるのは事実。天界でアイテム回収→神竜に挑む→が、ダメ…っ!→ゾーマ倒してEND、でやってみることにしました。それでも多額の借金が残った場合のことはあまり考えないことにしました。
 この流れでは全く盛り上がらないとも思いましたが、実際プレイしているとそれなりにドラマを感じたりしてまあいいかという気になってきます。金に関してはなんかそれでも足りなさそうでしたが、よく見たらリメイク版だとゆうしゃのたてとひかりのよろいは換金できる。ゲーム中に売るわけにはいきませんが、エンディング後に売ったことにして計算させてもらえばだいぶ苦しい家計も助かる。これは希望が見えてきた。などと勇者とは違うところで盛り上がるプレイヤー。本当に素晴らしいゲームだと思います。
 天界のアイテムを回収し、結果を知りつつ神竜に挑む。本当に強い…というか眠りがずるすぎる。無理だと思いつつも頑張ったのですが、実に悲しい戦闘でした。一人旅最大の敵の一つが眠り攻撃だと思うのですが、神竜の眠り攻撃は100%効くので本当にえげつなく悲しい。そんな悲しさが本文に出るのもやむを得ないことと言えます。
 そしてその後、2度目のゾーマ討伐。終了時の持ち金をメモしてエンディングに突入。見終わって、何度見ても感動するとか思いながらリセットしてまた開始。町に出て道具屋で、持っているアイテムの換金額を問い合わせる。終了時の持ち金に足し、借金と照らし合わせる。結果は本文の通りです。お気の毒ですが全然足りませんでした。

 まだまだ借金は残ってるけどこれからもがんばるぞーENDでもいいような気もしたんですが(ピラミッドの黄金の爪の呪いならエンディング後も続いててもおかしくないのでそんな希望を胸に)。せっかくゴールドパスも持ってるし、すごろく場ならエンディング後もやってるかな、と思ったので、それで完済の流れになりました。ゾーマ城でレベル上げ&金ためて、禁断の宿屋と道具の売り買いで手持ちの金を調整してエンディング時点と同じレベル・持ち金の状況を作って装備を売却し、エンディング後という想定ですごろく三昧。今さら性格が変わったのはちょっと面白かったです。
 天界もエピローグも最初はないはずだったことを考えれば、プレイ日記とはなかなかままならないものだなと思います。でもそれはそれで楽しかった。エピローグの3にちょっと出てきた、死亡によりなくした金額の合計は、メモし忘れていた時もあったので正確にはわかりませんが、おそらく7万3千ゴールドくらいでしょう。

 書き終わるまでにこんなにかかるとは思いませんでした。更新にむらがあってすみません。もう何度もクリアしたドラクエ3を、「これ結末どうなるんだろう」と思いながらプレイするという異常事態、また想定エンディングが脳内でどんどん変わっていく状況には大変興奮しました。本当に素晴らしいゲームだと思います。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


2008/3/26
プレイヤーより