ネタバレや腐臭発言が混じるらくがきメモ

2007年09月04日(火) ヱヴァンゲリヲン序

だから、あの熱狂の時をリアルタイムに過ごしたエリートな皆様のことが若干うらやましいのでした。

3Pダイアリー

映画自体はまだ見ていないのですが。当時大学の漫画研究会に所属していた私は、あの頃の熱狂について語る用意があるのです。私が知っているあれは、当時日本中で起こっていた熱狂の中では相当薄いものだっただろうけど、もっと濃い熱狂も、きっと似た種類の熱狂だったのではないかと思う。
 
アニメにさほど興味がなかった私にはなぜだかわかりませんでしたが、エヴァンゲリオンは第一話放映前から漫研部員たちの注目の的でした。そして内容も見事に期待を上回ったらしく、毎週木曜には部室に入るなり「エヴァ」という単語が聞こえる確率が激増。それは興味がなかった私をして「見てみようかな?」と思わせる熱さと勢いを持った何かでした。
私がエヴァを見始めたのは「決戦、第3新東京市」からのような気がしますが定かではありません。しっかり夢中になり、まわりの人々もみんな夢中になっている状況は、回を重ねるごとに全員をさらにヒートアップさせるばかりでした。徐々に水曜の飲み会が恒例になる。つまり部室でエヴァを見て、上がったテンションそのままにエヴァの話をしながら居酒屋に向かいエヴァを肴に酒を飲む。時には水曜の部室に酒を持ち込んでの飲み会になることもありました。真剣に観賞するため飲むのは放映後でしたが、時計の針が18時30分を回ると残酷な天使のテーゼ大合唱の部室はしらふとは思えないものでした。隣の映画研究会から「今録音してるんで」と苦情が入ったりもしました。FLY ME TO THE MOON が始まるあたりでコップに酒がつがれ、次回予告を眺めながら最初の一杯。今週の内容や今後の展開を語り合う集会は、あの盛り上げ上手な次回予告とともに開始される。わあわあ騒ぎながら酒を飲み、時折何の脈絡もなく「綾波ーっ!」という絶叫が上がる。あんなに輝いていた場所が他にあるのか疑問ですが、不思議にも戻りたいとは全然思いません。
 
同じ種類の熱狂の時を過ごしていた人たちは、あのラスト付近の騒動の時にどうしていたのだろう。今放映日時を確認すると、終わり頃は冬休みや春休みに当たっていたはずですが、その頃にも飲みながら「大団円で終わりそうにない我々の愛するあの作品」の話をしていたような記憶がある。誰かが言った。「素晴らしい料理でした。できればこのまま、デザートを食べずに帰りたい」。確か同じ年に「王様のレストラン」が放送されていて、その最終回にそんなセリフがあったのです。少し悲しい。そしてエヴァは最終回を迎える。最終回は別に飲み会も開催されず、私も家で普通に見ました。直後に先輩から電話がかかってきた。「どう思った?」「よかったなあと思いました」。けっこう感情移入していたので本心でした。さっき気づいたけど最終回の放映日は私の誕生日だった。全然覚えてなかった。最終回放映後の騒動のことはあまり知りません。
 
私の学生時代に青春のにおいのする出来事はあまりなかったと思うのだけど、エヴァにまつわるあれこれはちょっと青春だったような気がする。どういうわけか懐かしさはあまりないのだけど。
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